院長ブログ

アスタキサンチンの抗酸化力

2022年7月2日

アスタキサンチンは、β-カロチンと同じカロテノイドの一種で、エビ、カニなどの甲殻類、サケ、タイなどの魚類などの赤橙色の色素です。

◯ なぜ、サケの身は赤い?

サケは産卵のために川を登ります。過酷な旅には沢山のエネルギーが必要ですが、同時に活性酸素も発生します。活性酸素が過剰に発生すると途中で力尽き、目的を達成することはできません。そこで彼らは、オキアミなどから取り込んだ、強力な抗酸化作用があるアスタキサンチンを筋肉に十分にため込こみ、活性酸素を消去することで目的地にたどり着くことができるのです。

実は、サケは本来白身の魚で、赤い身の色はアスタキサンチンだったのです。

◯ 紫外線から身を守るアスタキサンチン

目的地に到達したサケは、筋肉に蓄えていたアスタキサンチンを今度は卵(イクラ)に引き継ぎます。さんさんと紫外線が降り注ぐ浅瀬に産み落とされる卵を、遺伝子障害や脂質の酸化から守るためです。

また、タイは体表、エビやカニは殻にアスタキサンチンを蓄積しています。これも、紫外線から身を守るためで、アスタキサンチンは、生体内防御物質として働いていると考えられています。

◯ アスタキサンチンの抗酸化力

一重項酸素という活性酸素に対する抗酸化力は、なんと、ビタミンCの6000倍、コエンザイムQ10の800倍、また脂質の酸化に対する抗酸化力は、ビタミンEの1000倍と言われています。

◯ 細胞膜での抗酸化効果  (添付図参照)

わたしたちの身体の中で最も外からの攻撃を受けやすいのは、そのほとんどが容易に酸化される脂肪で構成される細胞膜です。細胞膜は「リン脂質二重層」といい、親水性(しんすいせい)の外膜と、疎水性(そすいせい)の内膜が存在します。膜の外側にしか存在できない親水性のビタミンC、膜の内側にしか存在できない疎水性のβカロテンやビタミンEと違い、アスタキサンチンはリン脂質二重構造を縦に貫通する形で存在し、細胞膜全体に位置することで、活性酸素をしっかりと捕えることが可能です。

 このようなアスタキサンチンの優れた抗酸化力は、紫外線、喫煙などの酸化ストレスや、精神的ストレス、トライアスロンなどの激しい運動ストレス、そして悪い生活習慣など、活性酸素が非常に多く発生する環境下に生きる私達の生活にとって、欠かせない力強い味方であると言えます。

ふと思ったのですが、サケが、生まれた時からイクラにアスタキサンチンを託さなくてはいけない過酷な運命に立ち向かうために、長い旅の果てに生まれ故郷の川に戻り、そしてその使命を全うして生涯を終える。

って何か凄く、ドラマチックじゃないですか?

 

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