GI-MAP

GI-MAP

GI-MAP®

腸は、食べ物を消化・吸収する器官でありながら、免疫や内分泌、神経伝達といった重要な役割も担っており、多くの慢性疾患や難治性疾患の発症に腸内環境が関わっていると考えられています。

GI-MAP®は、消化管内にいる微生物の遺伝子(DNA)を用いて腸内環境を調べる検査であり、腸内の環境を総合的に評価し、正確な数値データで表すことができるのが特徴です。

当院では、検査結果を基に患者さまの体調不調の原因を探り、お一人お一人に最適な治療をご提案させていただきます。下痢や便秘といった消化器系のトラブルをお持ちの方はもちろん、長引く不調にお悩みの方やご自身の健康状態を確認したいという方は是非当院にご相談下さい。

腸の役割

私達が食事で摂り込んだ食物は、腸に運ばれて消化・吸収されます。
外からの異物に絶えずさらされている腸は、まさに外界と体内を繋ぐ「玄関口」のようなものであり、食べ物だけでなく、病原菌や毒素といった身体に有害な物質も侵入してきます。
そのため、腸には身体全体の6~7割の免疫細胞が集まっており、外から侵入してくる外敵(病原体)から身体を守る「腸管免疫」という免疫システムが備わっています。

また、腸管の壁には「腸管神経系」と呼ばれる独自の神経ネットワークが存在し、脳と同じように情報伝達を行っているほか、身体のさまざまな働きを調節する働きを持つ「ホルモン」を分泌する「腸管内分泌細胞」も点在しています。
これらの機能は合わせて「腸内エコシステム」と呼ばれており、それぞれが互いに作用し合うことで、全身の恒常性を保ち、身体の健康を維持する重要な働きをしています。

腸内エコシステムを正常に働かせるためには、「腸内環境」のバランスがカギになります。
腸の中には1000種類以上、100兆個に上る細菌(善玉菌、悪玉菌、日和見菌)が生息しており、腸内環境は細菌の種類やバランスによって日々変化しています。
腸内環境のバランスが整っている時は、腸内エコシステムも正常に機能するため、身体の健康を維持することができます。
しかし、何らかの原因で腸内環境が乱れると、腸内エコシステムの働きが悪くなってしまうため、便秘や下痢、腹痛などの消化器のトラブルが起こるほか、アレルギーや生活習慣病、自己免疫疾患といった全身性疾患を引き起こすリスクも高くなると言われています。

GI-MAP®の特長

GI-MAP®(Gastrointestinal Microbial Assay Plus)は、「定量的リアルタイムPCR技術」という優れた技術を用いて、腸の中の状態を詳しく調べる便検査です。
遺伝子(DNA)解析を使った検査法の一つで、採取した便の検体から特定の細菌の遺伝子(DNA)を増幅させ、増やしたDNAやRNAの量までを正確に測定できるのが特長です。
従来から行われている「広範囲便検査(CSA検査)」などの顕微鏡検査や培養法による便検査に比べ、感度が高く特異性に優れているため、消化管内の腸内細菌を正確に数値化することが可能です。

また、この検査では、一つの検体から多くの項目を調べられるのもメリットで、腸内細菌のバランス以外にも、身体に有害な病原体の有無や薬の耐性、さらに腸そのものの状態を評価することも可能です。

CSA検査には含まれていない「ステアトクリット」や「βグルクロニダーゼ」といった値を測定することで、腸の吸収能力や健康を調べることができるようになっているほか、腸のバリア機能を示す値である「ゾヌリン」も検査項目に含まれていることから、リーキーガット(腸漏れ:腸壁の隙間から有害物質が体内に入り込んでしまうこと)の程度を評価することも可能です。

このようにGI-MAP®では、測定で得られる幅広いデータを基に腸の中を総合的に評価することができるようになっているので、従来の便検査では測定できずに見逃されていた疾患が新たに発見できるようになるほか、これまで原因が突き止められなかった慢性疾患の根本的な原因を突き止められる可能性も高まります。

GI-MAP®テストをおすすめする人

GI-MAP®は、特定の疾患を治療中の方から健康な身体の維持を目指す方まで、どなたでも受けていただくことが可能ですが、特に以下のような症状に当てはまる場合には検査をおすすめします。

  • 花粉症などのアレルギーをお持ちの方
  • 下痢や便秘にお悩みの方
  • 消化不良や腹部膨満感などにお悩みの方
  • 潰瘍性大腸炎やクローン病などの自己免疫疾患の方
  • IBS(過敏性腸症候群)やIBD(炎症性腸疾患)の方
  • 生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病)のある方
  • にきびや乾癬(かんせん)などの皮膚のトラブルがある方
  • うつ病、不安神経症といった気分障害のある方
  • 注意欠陥多動性障害や自閉症の方
  • SIBO*1やリーキーガットの疑いがあると言われた方
    *1 SIBO:「小腸内細菌増殖症」という疾患のことで、小腸内の細菌が急激に増殖し、豊富な栄養を分解して多量のガスを産生することにより、お腹が膨らんで腹痛などを引き起こすのが特徴です。

その他、慢性的な体調不良などにお悩みの方はお気軽にご相談下さい。 

検査内容

GI-MAP®では、おもに以下のような内容を調べることが可能です。
当院では、これらの幅広い情報を基に腸で起きている問題を把握し、改善のための治療計画をご提案いたします。

腸内細菌のバランス

腸内で生息している「マイクロバイオータ(腸内細菌叢:ちょうないさいきんそう)」を調べます。
腸内にいる細菌は、身体に良い働きをする「善玉菌」、身体に悪影響を及ぼす「悪玉菌」、そしてどちらにも所属せず優勢になった菌と同じ働きをする「日和見菌」の大きく3種類があり、「善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7」の割合が理想的な腸内環境バランスと言われています。

病原体の有無

腸内細菌の乱れにより、身体に悪影響を及ぼすウイルスや細菌、真菌、寄生虫が増殖していないかを調べます。

消化吸収能

食物から摂り込んだ栄養素が適切に消化され、栄養を効率的に吸収できているかを確認します。

腸の炎症

腸内の炎症の有無を確認します。
腸内の炎症が原因で起こる「炎症性腸疾患(IBD)」には、おもに潰瘍性大腸炎とクローン病があり、臓器には異常がないにもかかわらず自覚症状が現れる「過敏性腸症候群(IBS)」との鑑別をする必要があります。

腸管免疫能

腸管の表面の粘膜に分泌されるIgA抗体の値を調べます。
IgA抗体は、外から侵入してくる病原体や毒素に結合して無効化する免疫バリア機能をもっています。IgA抗体の値が低い時は病気に罹りやすく、高い時は強い炎症があり、免疫が過剰に働いていることが分かります。

腸管透過性

腸の壁に備わっているバリア機能の働きを確認します。
通常、腸の表面にある上皮細胞は、細胞同士がくっついて「タイトジャンクション」という繋ぎ目でしっかりと封印されています。しかし、何らかの原因でタイトジャンクションが緩むと腸のバリア機能は低下し、細胞間にできた小さな隙間から有害な物質が体内に漏れ出す「リーキーガット*2」を引き起こします。
*2リーキーガット:「腸漏れ」とも言われ、タイトジャンクションの緩みにより未消化の食物や細菌、毒素などが血液中に侵入し、全身にさまざまな不調を引き起こす状態です。腸管の透過性を示す「ゾヌリン」の値が高いとタイトジャンクションが壊れてリーキーガットが起こりやすい状態であることが分かります。
詳細についてはリーキーガット症候群をご覧ください。

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9:00~18:30(木・土 12:30まで) 休:日・祝

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検査方法

少量の便を一回採取し、専用の容器に入れて郵送していただきます。
検体はアメリカに送られ、現地で検査が行われます。
約1か月程度で検査結果が送られてきますので、当院で結果の内容を詳しく説明させていただきます。
※大変申し訳ございませんが、現在のところ遠隔診療は行っておりません。

検査費用

検査費用:66,000円(税込み)

※診察・検査は保険適用外となるため自由診療となります。
また、別途、初診料、再診料、検査説明料がかかります。ご了承ください。

Q&A

検査を受けるにあたり、薬の服用は中止したほうがよいでしょうか?

お身体の状態や薬の種類などによります。
自己判断せず、医師に確認して指示に従っていただくようお願いします。

病原体の陽性が判明した場合、必ず何らかの症状や病気があるのでしょうか?

全ての病原体が必ずしも病気を引き起こすわけではなく、陽性であっても症状が出ない場合もあります。症状の発症には患者さまの健康状態が深く関係しており、一過性の感染で陽性反応が出るようなケースもありますので、免疫反応の結果などと組み合わせて慎重に診断を行う必要があります。

検査後はどのような治療を行うことになりますか?

検査結果を総合的に分析することで、なかなか改善しない慢性症状に腸の機能や状態がどのように関係しているのかを見つけ出し、必要に応じてお一人お一人に合わせた治療プログラムを作成します。必要な治療はそれぞれ異なりますので、詳細については医師にご確認ください。

子供でも検査をすることは可能ですか?

小さなお子様にも受けていただくことが可能です。
実際に、注意欠陥多動性障害、自閉症、胃腸の障害といった診断に用いられています。

アクアメディカルクリニック院長寺田武史医師よりひとこと

GI-MAP®は今まで培養の検査で腸内環境を判断していた広範囲便検査と違い、qPCR技術を用いた定量的検査です。より正確なマイクロバイオータ(腸内細菌叢)の状況はもちろん、消化吸収能、腸の炎症の程度、免疫機能、ゾヌリン蛋白の上昇の有無まで確認することができます。

中でも私が注目しているのはヘリコバクターピロリの遺伝子検査です。尿素呼気試験や採血での抗体検査では検出されなかったピロリ菌や、除菌に必要な抗生剤の耐性も確認することができます。ピロリ菌は慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃がんの原因となることが知られていますが、まだまだわかっていないことも多いと考えています。GI-MAP®で検出されたピロリ菌を除菌することで、様々な症状が改善したことも経験しています。

是非GI-MAP®検査を使った腸内環境の定量的把握をお勧めいたします。

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