長引く咳、夜間や明け方に強くなる咳、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音、息苦しさが続く場合、気管支喘息の可能性があります。
気管支喘息は呼吸器専門の病気という印象を持たれやすいですが、初期相談や継続的な管理は一般内科でも対応することが多い病気です。
このページでは、気管支喘息の基本的な情報をまとめています。
気管支喘息とは

気管支喘息とは、空気の通り道である「気道」に慢性的な炎症が起こる病気です。
日本呼吸器学会は、気管支喘息を「気道に炎症が続き、さまざまな刺激に対して気道が敏感になり、発作的に気道が狭くなることを繰り返す病気」と説明しています。
また、日本では大人の9〜10%が喘息とされ、高年齢で発症する方もいます。
炎症によって気道が敏感になると、ハウスダスト、花粉、冷たい空気、たばこの煙、風邪、運動、香料、気温差などの刺激で気道が狭くなり、咳・痰・喘鳴・息苦しさなどの症状が出やすくなります。
さらに気管支喘息は、症状が出ていない時期でも気道の炎症が続いていることがあります。
そのため、「咳が止まったから治った」と自己判断して治療を中止すると、再び発作を起こしたり、気道が硬く狭くなる「リモデリング」につながったりすることがあります。
喘息治療では、症状を一時的に抑えるだけでなく、気道の炎症をコントロールして発作を予防することが大切です。
近年の喘息診療では、患者さんごとの炎症のタイプ、悪化要因、合併症、生活背景に合わせて治療を調整する考え方が重視されており、当院でも同様の方針を採用しています。
気管支喘息の主な原因・悪化要因

気管支喘息の原因は一つだけとは限りません。
遺伝やアレルギー体質が関係することもあれば、風邪などの感染、気温差、運動、喫煙、ストレスなどが複数重なって症状が出ることもあります。
| 分類 | 具体例 |
|---|---|
| 遺伝・体質 | 家族に喘息やアレルギー疾患がある、アレルギー体質、アトピー素因など |
| 気道の過敏性 | 気道が刺激に敏感になり、冷気、ほこり、煙、運動などで咳や息苦しさが出やすい状態 |
| アレルギー | ダニ、ハウスダスト、花粉、カビ、ペットの毛やフケなど |
| 感染 | 風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など |
| 環境刺激 | たばこ、香水、線香、排気ガス、冷気、乾燥など |
| 生活要因 | 睡眠不足、疲労、ストレス、過度な運動など |
「気管支喘息は人にうつるのでは?」と心配される方もいますが、喘息そのものは感染症ではないため、人から人へうつる病気ではありません。
ただし、風邪などの感染をきっかけに喘息症状が悪化することはあります。
気管支喘息の症状

気管支喘息の代表的な症状は、咳、痰、喘鳴、息苦しさなどです。
特に夜間から早朝にかけて症状が出やすいことが特徴で、日中は問題なく過ごせても、寝る頃になると咳が止まらない、明け方に息苦しくて目が覚めるという場合もあります。
また、症状の出方には個人差があります。
ゼーゼーという音がはっきり聞こえる方もいれば、咳だけが続く方、胸の圧迫感だけを感じる方もいます。
風邪をひいた後に咳だけが何週間も残る、季節の変わり目に毎年悪化する、掃除や運動のあとに咳き込むといったパターンもあります。
| よくある症状 | 喘息が疑われるポイント |
|---|---|
| 長引く咳 | 3週間以上続く、夜や明け方に強い、風邪のあと咳だけ残る |
| 喘鳴 | 呼吸時にゼーゼー・ヒューヒューと音がする |
| 息苦しさ | 胸が重い、空気を吸い込みにくい、横になると苦しい |
| 痰 | 痰が絡む、切れにくい、咳と一緒に繰り返す |
| 症状の反復 | 季節、冷気、運動、風邪、花粉などで繰り返す |
速やかな受診・救急相談が必要な症状
喘息発作は、軽い咳から始まっても急に悪化することがあります。
特に、息苦しくて横になれない、会話が難しい、唇の色が悪い、吸入薬を使っても改善しない場合は、早急な対応が必要です。
| 症状 | 対応の目安 |
|---|---|
| 苦しくて横になれない | 早めに医療機関へ相談。夜間・休日は救急相談も検討。 |
| 会話がしづらい、短い言葉しか話せない | 重い発作の可能性があるため、救急受診を検討。 |
| 唇や顔色が青白い、意識がぼんやりする | すぐに救急対応が必要な可能性。 |
| 吸入薬を使っても改善しない | 自己判断で様子を見続けず、速やかに受診。 |
| 発熱、強い痰、胸痛を伴う | 肺炎など別の病気も考えられるため受診。 |
検査・診断・診療の流れ

気管支喘息の診断では、症状の出方、悪化する時間帯、きっかけ、これまでの病歴、アレルギー歴、喫煙歴などを確認します。
診察では胸の音を聴き、必要に応じて酸素飽和度、胸部レントゲン、血液検査、呼吸機能検査、呼気NO検査などを検討します。
| 流れ | 内容 |
|---|---|
| 1. 受付・問診 | 咳の期間、時間帯、息苦しさ、発熱、アレルギー、服薬歴などを確認します。 |
| 2. 診察 | 聴診、全身状態、呼吸状態を確認します。 |
| 3. 必要な検査 | 症状に応じて、感染症、肺炎、COPDなども含めて確認します。 |
| 4. 治療方針の説明 | 吸入薬や内服薬の必要性、使い方、再診目安を説明します。 |
| 5. 継続管理 | 症状の変化を見ながら薬を調整し、必要に応じて専門医へ紹介します。 |
咳や息苦しさの原因は一つとは限りません。
喘息だけでなく、肺炎、COPD、心不全、逆流性食道炎、副鼻腔炎、薬剤性の咳などが関係することもあります。
当院では、こうした幅広い可能性を考慮しながら、必要な診療につなげていきます。
受診時に持参いただきたいもの
気管支喘息や長引く咳の診察では、現在の症状だけでなく、これまでの経過や使用中のお薬を確認することが大切です。
受診の際は、可能であれば以下をご持参ください。
(必須ではありません)
- お薬手帳
- 血液検査、胸部レントゲン、呼吸機能検査などの結果
- 症状が出やすい時間帯、咳が続いている期間、発作の頻度、悪化するきっかけなどのメモ
気管支喘息の治療方法

気管支喘息の治療は、「発作を止める治療」と「発作を起こしにくくする治療」に分けて考えます。
発作時には気管支を広げる薬を使うことがありますが、根本的には気道の炎症を抑える治療が重要です。
治療の中心となるのは吸入ステロイド薬です。
必要に応じて、気管支を広げる薬や内服薬、生活習慣の調整なども行います。
| 治療 | 目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 吸入ステロイド薬 | 気道の炎症を抑え、発作を予防する | 症状が落ち着いても自己判断で中止しない |
| 気管支拡張薬 | 狭くなった気道を広げ、息苦しさを和らげる | 使用回数が増える場合は治療見直しが必要 |
| 内服薬 | アレルギーや炎症を抑える補助治療 | 症状や体質に応じて選択 |
| 生活環境の調整 | 発作のきっかけを減らす | 禁煙、掃除、寝具管理、感染予防が大切 |
吸入薬は、正しい吸い方ができていないと十分な効果が出ないことがあります。
薬を使っているのに咳が続く、発作を繰り返す、吸入後にむせるという場合は、薬の種類だけでなく吸入手技の確認も大切です。
吸入ステロイド薬の効果について
吸入ステロイド薬は、薬を吸い込んで気道に直接届けます。
飲み薬のステロイドと比べて全身への影響を抑えながら、気道の炎症に働きかけることができます。
2024年に発表された成人喘息の研究では、56件の臨床試験、合計78,171人を対象に、吸入ステロイド薬を含む治療の効果が検討されました。
その結果、吸入ステロイド薬を使わない治療と比べて、重い喘息発作のリスクが、吸入ステロイド薬のみの治療で34%、吸入ステロイド薬と気管支を広げる薬を組み合わせた治療で47%、発作時にも同じ吸入薬を使う治療法で58%、複数の薬を組み合わせた治療で57%減少したと報告されています。
つまり、吸入ステロイド薬を中心にした治療は、つらい発作を防ぐうえで重要な役割を持っています。
症状が落ち着いている場合でも、自己判断で中止せず、診察で状態を確認しながら治療を続けることが大切です。
気管支喘息の治療時に注意したいこと
気管支喘息では、気道が刺激に敏感になっているため、症状を悪化させる要因をできるだけ避けることが大切です。
特に、喫煙や受動喫煙は気道への刺激となり、咳や息苦しさ、発作の悪化につながることがあります。
また、症状が落ち着いたからといって吸入薬を自己判断で中止すると、気道の炎症が残ったままになり、再び発作を起こしやすくなることがあります。
薬の中止や変更は、必ず医師に相談しましょう。
発作が起きたときに我慢し続けることも避けてください。
吸入薬を使用しても息苦しさが改善しない、会話がしづらい、横になるのがつらいなどの場合は、早めの受診や救急相談が必要です。
ハウスダスト、花粉、冷気、香水・線香などの強いにおい、風邪、疲労、ストレスなど、悪化のきっかけが分かっている場合は、日常生活の中で無理のない範囲で対策を行いましょう。
気管支喘息に関してよくある質問

Q1:気管支喘息は何科に行けばいいですか?
A:一般内科、呼吸器内科、アレルギー科で相談できます。
咳や息苦しさがある段階では、一般内科で初期診察を受け、必要に応じて専門医へ紹介してもらう流れでも問題ありません。
Q2:気管支喘息はうつりますか?
A:喘息そのものは感染症ではないため、周囲にうつる病気ではありません。
ただし、風邪などの感染をきっかけに症状が悪化することがあります。
Q3:気管支喘息で発熱することはありますか?
A:喘息そのものが発熱を起こすことは原則ありません。
発熱、黄色い痰、胸痛、強いだるさがある場合は、気管支炎や肺炎などの感染症も考える必要があります。
Q4:吸入薬はいつまで続けますか?
A:診察で状態を確認しながら決定します。
症状が落ち着いても、気道の炎症が残っていることがあるためです。
Q5:気管支喘息はどのくらいで治りますか?
A:喘息は短期間で完全に治すというより、症状と炎症をコントロールし、発作を起こしにくい状態を目指す病気です。
適切な治療で日常生活を問題なく送れる方も多くいます。
江東区・亀戸・錦糸町周辺での気管支喘息の治療はアクアメディカルクリニックへ

気管支喘息は、適切な治療を続けることで発作を起こしにくい状態を目指せる病気です。
症状が軽い場合でも気道の炎症が続いていることがあるため、「そのうち治るだろう」と我慢せず、早めに医療機関で相談することが大切です。
アクアメディカルクリニックでは、江東区・亀戸・錦糸町周辺にお住まいの方のかかりつけ内科として、咳・痰・息苦しさ・喘鳴などの呼吸器症状を診察しています。
気管支喘息が疑われる場合は、症状の経過や悪化するタイミング、アレルギー歴、喫煙歴、生活環境などを確認し、必要に応じて検査や治療を行います。
吸入薬の使い方が不安な方、咳が長引いていて喘息かどうか分からない方、風邪のあとに咳だけ残っている方もご相談ください。
必要に応じて専門医療機関とも連携しながら、一人ひとりの状態に合わせた診療を行います。

