骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨の量や質が低下し、骨折しやすくなる病気です。

初期には痛みなどの自覚症状が少なく、「健康診断で骨密度が低いと言われた」「転んだだけで骨折した」「身長が縮んできた」といったきっかけで見つかることもあります。

このページでは、骨粗鬆症の基本的な情報をまとめています。

骨粗鬆症とは

転倒して骨折した男性のイメージ画像

骨粗鬆症とは、前述の通り「骨の量や質が低下し、骨折しやすくなる病気」のことを指します。

私たちの体の骨は、古い骨を壊す「骨吸収」と、新しい骨をつくる「骨形成」を繰り返しています。
このバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回る状態が続くと、骨がもろくなっていきます。

これが「骨粗鬆症」です。

骨密度の目安

骨粗鬆症の診断における一つの指標が「骨密度」です。

骨密度には以下の2つの指標があります。

  • YAM:若年成人平均値を100%とした骨密度の指標
  • Tスコア:若年成人の平均骨密度を基準(0)とし、自分の骨密度がどの程度離れているかを示す指標

一般的には、脆弱性骨折(※)がない場合でも、骨密度がYAM70%以下またはTスコア-2.5以下で骨粗鬆症と診断されます。

また、背骨や大腿骨近位部などの脆弱性骨折がある場合は、骨密度だけでなく骨折歴も重視して診断します。

※転倒やわずかな外力で生じた骨折

【数値の目安(YAM)】

目安 考え方
YAM 80%以上 おおむね正常範囲
YAM 70〜80% 骨量減少。脆弱性骨折の経験や持病の有無によって注意が必要
YAM 70%以下 骨粗鬆症と診断される目安

【数値の目安(Tスコア)】

目安 考え方
-1.0以上 おおむね正常範囲
-2.5より大きい~-1.0より小さい 骨量減少。脆弱性骨折の経験や持病の有無によって注意が必要
-2.5以下 骨粗鬆症と診断される目安

日本国内の骨粗鬆症患者の推計

日本では、40歳以上の骨粗鬆症の推計患者数は約1,590万人、内訳は男性約410万人、女性約1,180万人と報告されています。

一方で、令和5年の患者調査で骨粗鬆症として治療を受けている総患者数は約138万7,000人です。

推計患者数と治療中の患者数には大きな差があり、骨粗鬆症に気づかないまま過ごしている方も少なくないと考えられます。

骨粗鬆症の主な原因

骨粗鬆症の原因のイメージ

骨粗鬆症は、加齢、閉経、栄養不足、運動不足、持病、薬の影響などが重なり、骨をつくる働きよりも骨を壊す働きが上回ることで、骨密度が少しずつ低下していきます。

1:加齢による骨量の低下

骨は常に新しく作り替えられていますが、年齢を重ねると骨をつくる働きが弱くなり、骨量が減りやすくなります。
骨量は20歳頃に最大となり、その後は加齢とともに少しずつ低下しているのです。

特に高齢になると、筋力低下や転倒しやすさも重なり、骨折のリスクが高まります。

骨粗鬆症では、背骨や足の付け根、手首などを骨折しやすくなるため、早めの検査と予防が大切です。

2:閉経による女性ホルモンの減少

女性の骨粗鬆症の大きな原因に「閉経による女性ホルモンの減少:が挙げられます。

女性ホルモンのエストロゲンには、骨が過剰に壊されるのを抑える働きがあります。
しかし閉経前後の50歳頃からエストロゲンが急激に減少すると、古い骨の表面が溶けて壊されやすくなり、骨密度も低下しやすくなります。

そのため、閉経後の女性や、早く閉経を迎えた方は骨粗鬆症に注意が必要です。

3:カルシウム・ビタミンDなどの不足

骨の健康には、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質などが欠かせません。
カルシウムは骨の材料となり、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける栄養素です。

食事量が少ない方、乳製品・魚・大豆製品・野菜をあまり食べない方、極端な食事制限をしている方は、骨に必要な栄養が不足しやすくなります。
また、日光に当たる機会が少ない生活も、ビタミンD不足につながることがあります。

4:運動不足

骨の健康は、歩行や筋力トレーニングなどの適度な刺激が加わることで維持されやすくなります。
反対に、運動不足が続くと骨への刺激が減り、骨量が低下しやすくなります。

5:喫煙・過度な飲酒などの生活習慣

喫煙や過度な飲酒は、骨の健康に悪影響を与える要因とされています。

喫煙は骨の代謝や血流に影響し、過度な飲酒は栄養状態の悪化や転倒リスクの上昇につながるためです。

骨粗鬆症の予防では、食事や運動だけでなく、禁煙、飲酒量の見直し、十分な睡眠、転倒しにくい生活環境づくりも大切です。

6:持病や薬の影響

骨粗鬆症は、ほかの病気や薬の影響で起こることもあります。

たとえば、甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病、糖尿病、関節リウマチ、胃切除後などでは、骨密度が低下しやすくなることがあります。

また、ステロイド薬を長期間使用している方も注意が必要です。
ステロイド薬は、骨形成を抑えたり、カルシウム代謝に影響したりすることで、骨粗鬆症のリスクを高めることがあります。

持病や服薬がある方は、自己判断せず医師に相談しましょう。

骨粗鬆症になりやすい人

次のような方は、骨粗鬆症のリスクが高くなる可能性があります。

  • 65歳以上の女性
  • 閉経後の女性
  • 早く閉経を迎えた方
  • 家族に骨粗鬆症や大腿骨近位部骨折の経験がある方
  • やせ型の方、極端なダイエット経験がある方
  • カルシウムやビタミンDを含む食品をあまりとらない方
  • 日光に当たる機会が少ない方
  • 運動不足の方、筋力低下が気になる方
  • 喫煙している方、飲酒量が多い方
  • ステロイド薬を長期間使用している方
  • 甲状腺、腎臓、糖尿病、関節リウマチなどの持病がある方

骨粗鬆症は、症状がないまま進行することがあります。
「まだ痛くないから大丈夫」と考えず、上記に複数当てはまる方や、健康診断・検診で骨密度低下を指摘された方は、早めにご相談ください。

骨粗鬆症の初期症状

背中が痛い高齢女性のイメージ

骨粗鬆症のやっかいな点は、初期に症状が出にくいことです。
骨密度が低下していても、普段の生活では気づかないことがあります。

ただし次のような変化がある場合は、骨粗鬆症や骨折が隠れている可能性があります。

  • 背中や腰の痛みが続く
  • 以前より身長が縮んだ
  • 背中が丸くなってきた
  • 転倒や軽い衝撃で骨折した
  • 咳やくしゃみ、物を持ち上げた後に強い痛みが出た
  • 健診や検診で骨密度低下を指摘された

特に背骨の圧迫骨折は、強い痛みが出る場合もあれば、はっきりした痛みがないまま進む場合もあります。
「年齢のせい」「姿勢のせい」と思っていた変化が、骨粗鬆症のサインであることもあります。

緊急性の高い症状

次のような症状がある場合は、速やかな医療機関の受診や救急相談をご検討ください。

  • 転倒後、腰・背中・股関節に強い痛みがある
  • 痛みで立てない、歩けない
  • 足のしびれ、力の入りにくさがある
  • 背中や腰の痛みが急に強くなった
  • 胸や背中の痛みに加えて、息苦しさがある
  • 頭を打った、意識がぼんやりする、吐き気がある

骨粗鬆症の検査と当院での診療の流れ

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ここからは、骨粗鬆症の検査方法と当院での診療の大まかな流れをご紹介します。

・骨密度検査

骨密度検査には複数の方法があります。

骨粗鬆症財団では、腰椎や大腿骨近位部をDXA法(強弱2種類のX線で測定する方法)が、骨折が起こりやすい部位を評価するうえで適していると説明しています。
また検診ではかかとの超音波検査が一般的ですが、より詳しい診断や治療効果の判定には適さない場合があります。

当院では骨密度検査に加えて、必要に応じて画像検査や専門医療機関との連携を検討します。

・血液検査/尿検査

血液検査で、カルシウム、リン、腎機能、肝機能、甲状腺機能、ビタミンDの不足、炎症や貧血の有無などを確認することがあります。

また尿検査や血液検査で骨代謝マーカー(骨の働きや質を評価するもの)を測定すると、骨吸収・骨形成の状態や治療効果の参考になります。

・問診

問診では、骨密度の数値だけではなく、骨折歴、転倒歴、服薬歴、持病、閉経時期、食事、運動習慣などを確認します。

ステロイド薬の長期使用、甲状腺や腎臓の病気、胃切除後、関節リウマチなどがある場合は、続発性骨粗鬆症の可能性も考えます。

診察の流れ

当院での診察の流れは以下の通りです。

  1. WEB予約またはお電話でご相談
  2. 問診・診察
  3. 必要な検査の検討
  4. 検査結果の説明
  5. 食事・運動・転倒予防の始動
  6. 必要に応じて薬物治療の検討
  7. 必要に応じて整形外科・専門医療機関と連携

骨粗鬆症の治療方法

骨粗鬆症の治療のイメージ画像

骨粗鬆症の治療で大切なのは、単に骨密度の数字を上げることだけではありません。

最も重要な目的は、背骨や足の付け根などの骨折を防ぎ、将来の寝たきりや介護リスクを減らすことです。

治療は、食事、運動、薬物療法、転倒予防を組み合わせて行います。
2025年版の骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインでは、骨折リスクに応じて治療目標を設定し、薬を選択する考え方が重視されており、当院でも同様の方針を取っています。

1:食事

骨粗鬆症の治療では、骨の材料となる栄養素を毎日の食事でしっかりとることが大切です。
特に意識したいのは、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKです。

カルシウムは骨の主な材料で、牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品、小魚、大豆製品、青菜などに多く含まれます。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける栄養素で、魚、卵、きのこ類などに含まれます。

ビタミンKは骨の形成に関わり、納豆や緑黄色野菜などに含まれます。

なお、日本人の食事摂取基準2025年版では、カルシウムの推奨量は30〜74歳男性で1日750mg、30〜74歳女性で1日650mg、75歳以上では男性750mg、女性600mgとされています。

また、極端な食事制限や、主食・主菜・副菜の偏りは、骨に必要な栄養不足につながるため、注意が必要です。

2:運動

運動は、骨に適度な刺激を与え、骨量の維持に役立ちます。
また、筋力やバランス能力を保つことで、転倒予防にもつながります。

骨粗鬆症の予防・治療では、ウォーキングなどの有酸素運動に加えて、スクワットやかかと上げなどの筋力トレーニングを無理のない範囲で行うことが大切です。

厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023では、高齢者に対して、歩行または同等以上の身体活動を1日40分以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。

ただし、すでに背骨の圧迫骨折がある方、強い腰痛がある方、転倒しやすい方は注意が必要です。
自己判断で激しい運動を始めると、痛みや骨折につながることがあります。

運動の種類や強さは、骨密度や痛み、持病の状態に合わせて医師と相談しましょう。

3:転倒予防

骨粗鬆症では、転倒を防ぐことも重要な治療の一部です。
骨がもろくなっていると、軽い転倒でも背骨、足の付け根、手首、腕の付け根などを骨折することがあります。

転倒予防のためには、室内の環境を整えることが大切です。
床に物を置かない、段差を減らす、滑りやすいマットを避ける、浴室やトイレに手すりをつける、夜間の足元を明るくするなど、できることから見直しましょう。

4:薬物療法

骨粗鬆症の薬には、骨が壊れる働きを抑える薬、骨をつくる働きを助ける薬、カルシウムやビタミンDの働きを補う薬などがあります。

骨粗鬆症の主な治療薬
治療薬の種類 目的・特徴
ビスホスホネート薬 骨吸収を抑える代表的な薬。内服薬や注射薬があります
SERM 閉経後女性などで使われることがある薬
活性型ビタミンD製剤 カルシウム代謝を助け、骨折予防を目指します
抗RANKL抗体 骨吸収を抑える注射薬です
副甲状腺ホルモン関連薬 骨形成を促す薬で、骨折リスクが高い方に使われることがあります
抗スクレロスチン抗体 骨形成促進と骨吸収抑制の作用を持つ薬です

薬の種類や期間は、骨密度、骨折歴、年齢、腎機能、歯科治療の予定、ほかの薬との関係などによって変わります。
自己判断で中止すると骨折リスクが高まることがあるため、まずは医師に相談しましょう。

【注意】歯科治療を並行して行う場合

骨粗鬆症の薬の一部では、まれに顎骨壊死が問題になることがあります。
頻度は高くありませんが、抜歯やインプラントなどの予定がある場合は、事前に医師と歯科医師へ伝えてください。

骨粗鬆症は治るのか

健康を取り戻す高齢女性のイメージ

「骨粗鬆症は治るのか」と不安に感じる方は多いと思います。

骨粗鬆症は、短期間で完全に元の骨に戻すというより、骨折リスクを下げるために長く管理していく病気です。

治療によって骨密度が改善する方もいますが、骨密度が少し上がっただけで安心して薬をやめてよいとは限りません。
年齢、過去の骨折、転倒しやすさ、持病などによって、骨折リスクは変わります。

大切なのは、「骨密度の数値」だけを見るのではなく、「今後骨折しにくい状態をつくる」ことです。
そのためには、薬を正しく服用すること、骨によい食事や運動を続けること、転倒を防ぐ環境づくりを行うことが必要です。

骨粗鬆症に関してよくある質問

Q&A

Q1:骨粗鬆症は何科を受診すればいいですか?

A:骨折や強い痛みがある場合は整形外科が中心になります。
骨密度低下の相談、生活習慣や薬の相談、持病との関係の確認は一般内科でも対応できます。
症状や検査結果に応じて、必要な場合は専門医療機関と連携します。

Q2:骨粗鬆症は血液検査でわかりますか?

A:血液検査だけで骨粗鬆症を診断することはできません。
ただし、カルシウム、腎機能、甲状腺機能、ビタミンD、骨代謝マーカーなどを確認することで、原因の評価や治療方針の参考になります。

Q3:骨粗鬆症の薬はいつまで飲みますか?

A:薬の種類、骨密度、骨折歴、年齢、腎機能などによって異なります。
自己判断で中止せず、定期的に医師と相談してください。

Q4:骨粗鬆症でしてはいけないことはありますか?

A:重い物を急に持ち上げる、背中や腰を強くひねる、転倒リスクの高い運動を自己判断で行うことには注意が必要です。
喫煙、過度な飲酒、極端な食事制限も骨に悪影響を与えます。

江東区・亀戸・押上周辺での骨粗鬆症の治療はアクアメディカルクリニックへ

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骨粗鬆症の治療で大切なのは、骨密度の数値だけを見ることではなく、将来の骨折を防ぎ、生活の質を保つことです。

骨折歴、年齢、閉経の有無、持病、服薬状況、食事、運動習慣、転倒しやすさなどによって、必要な検査や治療は異なります。
そのため、骨粗鬆症の治療では、患者さま一人ひとりの状態に合わせた継続的な管理が大切です。

アクアメディカルクリニックでは、骨粗鬆症の検査結果だけでなく、生活背景や持病の有無、服薬状況などもふまえて治療方針を検討します。

必要に応じて薬物療法を行うだけでなく、食事内容の見直し、カルシウムやビタミンDを意識した栄養指導、無理のない運動、転倒予防なども含めて、患者さま一人ひとりに合った治療をご提案します。

江東区。亀戸・押上周辺で骨密度の低下や骨粗鬆症が気になる方は、アクアメディカルクリニックへお気軽にご相談ください。

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