院長ブログ

 

スギ花粉の時期は終息を迎えていますが

これなら徐々に暑い時期になると悪化してくるのがアトピー性皮膚炎です。

 

アトピ−性皮膚炎の漢方治療は

年齢によって処方が異なると考えています。

 

 

◎年齢別に見るアトピーの漢方治療

 

 

☆ 乳児期 ☆

乳児のアトピーには、発達の未熟さがあると考えられ

元気に、身体を強くさせることが目的にの処方が中心なります。

 

1)    小建中湯(しょうけんちゅうとう)

   ちょっと元気なさそうだな、食も細いし、血色も悪いなあと感じる場合。

 

2)    黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)

   小建中湯+黄耆という生薬を混ぜた処方

   黄耆は元気にさせるだけでなく

   皮膚が弱い、化膿しやすいなどの防御能力を改善させます。 

 

3)    補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

   食欲不振などの栄養不足を認める要な場合。

   柴胡という生薬が含まれています。

   柴胡剤は免疫調整能力作用に優れていることから

   乳児に関わらず、学童、成人全ての体質改善に用いても大丈夫です。

 

4)    十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)

   血虚(顔色わるいなぁ)+気虚(元気ないなぁ)の処方。

   乾燥型(カサカサ)、浸潤型(ジュクジュク)いずれの状態にも用いられます。

 

身体機能の発達に伴い

アトピーになった乳児の1/3くらいは、1歳くらいで自然治癒することもあります。

 

 

 

 

 

☆ 幼児~小児期 ☆

幼児~小児期は身体の機能が発達してきて、この時期から新たに発症することは少ないです。

 

発症する場合の原因は

主に食物やハウスダストなどのアレルゲンが多くなりますので注意が必要です。

全身の乾燥傾向が強くなってきます。

 

1)    温清飲(うんせいいん)

   黄連解毒湯(冷やす)+四物湯(血を巡らせ、潤す)を合わせた漢方。

   修復能力を回復させる処方で、強い熱感があり、乾燥している症状に。

2)    柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)

   温清飲(黄連解毒湯+四物湯)+排膿作用+柴胡剤が含まれています。

   小児虚弱体質(扁桃炎やリンパ節炎などを繰り返す)の改善薬で

   湿疹病変が慢性化しやすい体質に処方します。

 

3)    消風散(しょうふうさん)

   冷やす+潤す+痒みを取る+水分調節する生薬で構成されています

   分泌物の多い、特に夏に増悪するアトピー性皮膚炎に。

4) 治頭瘡一方(ぢづそういっぽう)

   清熱(冷やす)、去風(かゆみ止め)、駆瘀血(血を巡らせ)

   利水(水分調節)機能を持つため

   分泌物が多く、痒み、化膿を伴った皮膚炎に用います。

 

 

  

☆ 学童~成人期 ☆

学童~成人期は、乾燥傾向が更にひどくなり難治性になります。

原因としては、受験や就職などによるストレス、疲労、食事の偏り

睡眠不足、過度な飲酒、喫煙、部屋の掃除が不十分など

生活習慣や生活環境の変化により、過度なアレルゲンにさらされることが多いからです。

 

1)    白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

   冷やして+潤し 炎症を抑える漢方。いくら水を飲んでも喉が渇く、そして多汗な症例に。

2)    黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

   冷やして+乾かし 炎症を抑える漢方。のぼせ、赤ら顔、イライラ、不眠傾向に。

3)    荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

   黄連解毒湯+四物湯+排膿作用+柴胡剤+かゆみ止め。

   乾燥、炎症の強い場合。(柴胡清肝湯+かゆみ止め)

 

イライラ、不眠強い場合は柴胡剤を含む漢方を併用したり

女性でむくみを伴う場合は当帰芍薬散も有効です。

 

今回は西洋薬や軟膏などの併用には触れませんでしたが

併用することに問題があると思っていませんし、併用することのほうが多いことを経験します。

 

これからの時期、悩まれている方は一度お試しになってもいいかもしれません。

 

 

 

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カイカイカイカイ、カイーーーーーッ!

 

 

 

 

 

 

 

君が痒いのと わけ違うから。

 

 

 

 

 

おしまい。