最近、多い患者さんの訴えに「口臭」があります。
消化器内科ということで
「胃が悪いんじゃないか?」と心配される患者さんが多いのだと思います。
しかし、胃の入り口には「噴門部」と呼ばれるものがあり、通常は閉まっていて
開きっぱなしになっている「食道裂孔ヘルニア」の患者さんを除けば
ゲップでもしない限り、臭いニオイはしないはずです。
では、どうして口臭は起こるのでしょうか?
その原因の90%は
「唾液分泌の低下」
「口腔内の清掃不良」
あるいは「歯周病」口腔内の原因に起因するといわれています。
もちろん、胃カメラで異常ないことを確認することも重要です。
当院では検査で異常がない場合、漢方治療をお勧めしています。
口臭が気になる方には、「便秘」や「冷え」のある方が多く
さらに「軟便」や「食欲不振」等のキーワードがないか確認しています。
1) 便秘あり
大柴胡湯 ( 頭痛、肩こり等を伴うことがあり。)
2) 便秘なし
a) 黄連解毒湯 (のぼせ、赤ら顔、イライラあり)
b) 白虎加人参湯 (口渇、身体のほてりあり )
3) 冷えあり、軟便あり
六君子湯 (ストレス性胃炎の代表的な薬)
4) 冷えあり、軟便なし
加味逍遙散 (のぼせ、イライラあり、口臭を神経質に気にする )
5) 冷えなし、食欲あり
抑肝散 (イライラ、怒りやすい)
6) 冷えなし、食欲なし
麦門冬湯 (乾いた咳だが、痰が切れにくい)
ざっと これくらいでしょうか?
口腔ケアはしっかりしている。胃の調子も問題ない(検査で異常がない)
ようなときは、一度試してみるといいかもしれませんね。