今年もIRONMAN JAPAN 70.3に出場してきました。
8月のメインレースの前哨戦となり、毎年、大事にしているレースです。
しかし、今回は鎖骨骨折、網膜剥離の手術後ということもあり
言い訳になりますが、あまりトレーニング出来ない時期もありました。
しかし、短い期間でも時間をムダにすること無く 頑張った感はありましたので
その成果を試すいい機会のはずでした。
結果はボロボロで、RUNパートで撃沈でした。
「無事是名馬」という言葉があります。
明治から昭和にかけて活躍した菊池寛という小説家がいました。
彼は、競馬が大好きで、馬主でもありました。
この菊池寛があるとき,禅語の「無事是貴人」をもじり、この言葉を作ったのです。
この「無事是名馬」は,病気や怪我もなく,第一線で活躍し続ける馬こそが名馬なのである。
という意味で使われ、いくら突出した力を発揮したとしても
怪我や病気が多いような馬は、決して名馬ではないということです。
今では,スポーツ選手に関してもよく使われており、卓越した技量の持ち主でも
怪我などして試合に出られないことが多いのなら、それは名選手とは言えない。
怪我や病気なしに常に第一線で活躍し続けることこそが卓越した選手なのだ。
ということです。
因みに
「無事是貴人」の「無事」とは
この一年間たいした災難に遭遇することもなく、無事安泰に暮らしたという感謝の念と
またもう一年も無事でありたいと願う言葉して理解されがちですが
禅語として「無事是貴人」は少々違うようで
我々人間は金も欲しい、色も欲しい、地位も欲しいと欲望の渦に日々翻弄されてるんだと。
ここでは、「求心すること、すなわち求める心がなくなったところが(無事)であり
その人こそが,最も尊ぶべき(貴ぶべき)人、(貴人)である」と教えています。
つまりあれこれと無駄な騒ぎをすることなく
その時その時の一事一事を精一杯に行うことが大切だと示されているのです。
「無事是名馬」であり続け、「無事是貴人」でもいたいと
しみじみ考える梅雨時の晴れた午後なのでした。
おしまい。