こんにちは。錦糸町・亀戸・押上からすぐのアクアメディカルクリニック、院長の寺田です。
胃の不調や胸やけ、飲み込みにくさなどの症状を感じたとき、病院での検査として候補に挙がることが多いのが「胃カメラ（上部消化管内視鏡検査）」です。かつては「つらい検査」というイメージもありましたが、医療機器の進歩や鎮静剤の活用などにより、負担が軽減されてきました。胃カメラ検査は、食道・胃・十二指腸を直接観察できるため、早期発見や適切な治療方針の決定に大きく役立ちます。
本記事では、胃カメラ検査によって発見できる病気を中心に、検査のメリットや流れ、注意点などを詳しく解説します。検査の必要性を感じている方はもちろん、検査を迷っている方も、ぜひ最後までお読みいただき、不安や疑問を解消するきっかけになれば幸いです。
1．胃カメラ検査で観察できる部位と役割
1-1．観察可能な範囲
「胃カメラ」と呼ばれる検査機器（上部消化管内視鏡）は、先端に小型のカメラとライトが取り付けられた細長いチューブ状の機器です。これを口や鼻から挿入し、以下の範囲を観察・撮影します。
- 食道
- 胃
- 十二指腸
この3つの器官は上部消化管と呼ばれ、食べ物の入り口から栄養吸収の最初の段階にあたる部分です。粘膜の状態を直接確認できるため、ただの炎症なのか、潰瘍や腫瘍などの病変があるのかをしっかり見分けられます。
1-2．バリウム検査との違い
胃カメラの代わりとして用いられる検査に、バリウムを飲んでX線撮影を行う方法があります。健康診断で行われることも多いので、ご存じの方は多いかもしれません。しかし、バリウム検査では内部を直接見るわけではないため、小さな病変や軽度の炎症・色の変化などは見逃されることもあります。
一方、胃カメラ検査では粘膜をダイレクトに観察でき、疑わしい部分があればその場で組織を採取（生検）して、詳しい検査を行うことが可能です。結果として、病気の早期発見や治療方針の迅速な決定に大きく寄与します。
2．胃カメラでわかる主な病気
2-1．胃潰瘍・十二指腸潰瘍
「胃がキリキリ痛む」「食後にみぞおちあたりが重い」などの症状で疑われるのが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍です。潰瘍とは、粘膜がただれて穴が空いたような状態になっていることで、放置すると出血や穿孔（穴が開いてしまう）などの重篤な合併症が起こることがあります。
近年は、ピロリ菌感染や過度なストレス、非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）の長期使用などが原因として注目されています。胃カメラ検査では、ただれの範囲や深さを直接確認し、必要に応じて生検を行い、炎症の程度や感染状態を調べることができます。
2-2．逆流性食道炎
胸やけや胃酸の逆流による不快感、のどのヒリヒリ感などが続く場合は、「逆流性食道炎」の可能性があります。食道と胃の境目にある下部食道括約筋のゆるみや、胃酸過多、肥満、暴飲暴食、姿勢などさまざまな要因が絡んで発症しやすくなります。
胃カメラ検査では、食道の粘膜がただれて赤くなっていないか、炎症はどの程度なのかを直接確認できます。重症化すると胃酸で粘膜が傷ついて潰瘍化することもあり、放置は禁物です。逆流性食道炎は、生活習慣の見直しや胃酸を抑える薬などで改善する場合が多いため、早めの検査と対策が大切です。
2-3．急性胃炎・慢性胃炎
胃の粘膜に炎症が起きた状態を総称して「胃炎」と呼びます。急性胃炎は急な腹痛や嘔吐が特徴で、暴飲暴食やストレスなどが原因になりやすいです。慢性胃炎はピロリ菌感染や喫煙、長期間にわたる胃酸分泌異常などが原因となって、慢性的に炎症が続いている状態を指します。
胃炎は一見軽症に思われがちですが、慢性胃炎が長期にわたると胃粘膜の萎縮や腸上皮化生など、将来的に胃がんのリスクを高める変化が出てくる可能性もあります。胃カメラ検査で炎症の有無や粘膜の状態を把握し、適切な治療や生活習慣改善を行うことが重要です。
2-4．ピロリ菌感染による萎縮性胃炎
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が長期的にダメージを受けて慢性的な炎症状態になります。これを放置すると萎縮性胃炎（胃粘膜が薄くなってしまう）や胃潰瘍、さらに胃がんのリスクが上昇するといわれています。
胃カメラ検査の際に、粘膜の状態を直接観察したり、生検を行ってピロリ菌感染の有無を調べたりできます。感染が確認されたら、除菌治療により将来的な潰瘍やがんのリスクを大幅に減らせますので、早期検査が大切です。
2-5．胃ポリープ
ポリープとは、粘膜がいぼ状に盛り上がっている状態を指します。胃ポリープの多くは良性ですが、大きさや形状によっては経過観察が必要な場合や、内視鏡的切除が推奨される場合もあります。
胃カメラ検査では、ポリープの位置や数、大きさを確認し、生検によって良性・悪性の判断材料を得ることが可能です。良性と判断されれば経過観察、悪性もしくは悪性化のリスクがある場合は切除などの治療方針が立てられます。
2-6．胃がん・食道がん
日本人のがん死亡原因の上位に挙げられるのが胃がんです。早期の段階ではほとんど症状がなく、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。胃カメラ検査は、がんを早期発見するための有力な手段であり、特にピロリ菌感染歴がある方や家族に胃がん患者がいる方は、定期的に受けることが推奨されます。
また、食道がんも同様に、初期症状が乏しいために発見が遅れやすい病気の一つです。検査中に見つけたがんらしき病変は、その場で組織を採取し、病理検査によって良性・悪性を確定させます。早期胃がんや早期食道がんであれば、内視鏡手術による比較的軽微な治療で済むケースも増えています。
3．胃カメラ検査による早期発見・早期治療のメリット
- 治療の選択肢が広がる
病気が進行する前に見つけることで、内視鏡治療のみで完了できる場合や、薬物治療や生活指導だけで十分に回復が見込める可能性があります。 - 身体の負担を軽減できる
病気が進行してしまうと、手術の規模や術後のリハビリも大きくなります。早期発見により、体への負担を最小限に抑えることができます。 - 安心感を得られる
「何かおかしいかも」と思いながら過ごすよりも、きちんと検査を受けて問題ないと分かれば安心ですし、万が一病気があっても早期に対処できるメリットがあります。
4．胃カメラ検査の流れと注意点
4-1．検査の準備
- 事前の問診・説明
胃カメラ検査を受ける前に、症状や既往歴、お薬の服用状況などを確認します。鎮静剤の使用希望やアレルギーの有無についても相談しましょう。 - 前日の食事制限
通常は検査前夜の21時頃までに軽めの食事を済ませ、それ以降は絶食というケースが多いです。水やお茶はOKの場合もありますが、クリニックの指示に従ってください。
4-2．検査当日の流れ
- 来院・受付
予約時間にあわせて来院し、検査の最終確認を行います。 - 検査前の処置
のどや鼻への局所麻酔、または鎮静剤（静脈麻酔）の使用などを行います。 - 検査の実施
- 経口内視鏡：マウスピースを咥え、口から内視鏡を挿入します。
- 経鼻内視鏡：片方の鼻孔から挿入します。のどへの違和感が少なく、会話しやすいのが特徴です。
検査自体は10〜15分程度で終了する場合が多いですが、組織採取や止血などの処置を行う場合はもう少し時間がかかります。
- 検査後の休憩・説明
鎮静剤を使った方は、検査後しばらく安静にしてから医師の説明を受けます。組織検査の結果は後日となることもあります。
4-3．検査後の注意点
- 飲食のタイミング：のどの麻酔が切れて正常な感覚が戻ってから、水や食事を摂るようにしてください。
- 当日の運転は避ける：鎮静剤を使用した場合は、車やバイクの運転を控える必要があります。公共交通機関やご家族の送迎などを検討しましょう。
- 違和感が続く場合：強い腹痛や吐血、嘔吐などがあった場合は速やかに医療機関へ連絡してください。
5．検査後のフォローアップと治療方針
5-1．内視鏡的治療
ポリープや早期がん、潰瘍の止血などは、その場で内視鏡的に切除や止血が可能なケースがあります。早期発見であれば、大がかりな手術を回避できるため、患者さんの身体への負担も少なくて済みます。
5-2．除菌治療
ピロリ菌感染が確認された場合、胃炎や潰瘍、胃がんリスク低減のために除菌治療を行います。一定期間、複数の抗生物質や胃酸分泌抑制剤を服用し、ピロリ菌を除去します。除菌率は高いですが、薬の服用ルールをきちんと守ることが大切です。
5-3．薬物療法・生活習慣改善
逆流性食道炎や胃潰瘍などでは、胃酸を抑える薬や粘膜保護薬を処方されることがあります。あわせて、生活習慣の見直し（食事や飲酒量、ストレス管理など）も重要です。症状を抑えるだけでなく再発予防のためにも、医師や管理栄養士などの指導を活用してください。
6．錦糸町・亀戸・押上のアクアメディカルクリニックでの胃カメラ検査
6-1．当院の特徴
当院アクアメディカルクリニック（院長：寺田）では、できるだけ負担が少なく、安心して検査を受けていただけるよう、以下の点に配慮しています。
- 細径の内視鏡機器を導入：従来より細くやわらかい内視鏡を使い、嘔吐反射などの不快感を軽減。
- 経鼻・経口を選択可能：鼻からの挿入をご希望の方、従来の経口方式をご希望の方など、一人ひとりの状態やご要望に合わせた方法を提案。
- 鎮静剤の使用相談OK：検査への恐怖感が強い方には、静脈麻酔（鎮静剤）によってうとうとした状態で検査が受けられるようにしています。
6-2．分子栄養学的アプローチ
また、当院は分子栄養学を専門としており、検査結果を踏まえた栄養指導やサプリメントの活用など、トータル的なサポートを行っています。胃の症状に悩む方や、再発を繰り返す方は、食事や腸内環境、生活習慣を総合的に見直すことで症状緩和や体質改善を目指すことが可能です。
6-3．アクセス・ご予約
錦糸町・亀戸・押上の各駅から徒歩圏内でアクセスも良く、平日はもちろん、土曜診療なども行っております。お忙しい方でも通院しやすい環境を整えていますので、ぜひ一度ご相談ください。
ご相談・ご予約
風邪がなかなか治らなくて困っている、あるいは何度も繰り返してしまうという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
予約錦糸町・亀戸・押上の各駅から徒歩圏内でアクセスも良く、平日はもちろん、土曜診療なども行っております。
電話番号: 03-3637-1851
受付時間:
月・火・水・金：9:00~12:30, 15:30~18:30
木・土： 9:00 ~ 12:30
7．まとめ
胃カメラ検査では、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察できるため、小さな炎症から早期がんまで、さまざまな病気を正確に見つけ出すことが可能です。
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎
- 急性胃炎・慢性胃炎
- ピロリ菌感染による萎縮性胃炎
- ポリープ
- 胃がん・食道がん
など、命に関わる重大な病気も含め、早期に治療を始めれば軽微な処置で回復が見込めたり、合併症を防ぐことにもつながります。
胃カメラ検査に対して「苦しいのでは」「痛いのでは」という不安を抱える方は多いかと思いますが、最近は機器や検査技術の進歩、鎮静剤の活用によって、つらさを感じにくい環境が整ってきました。何よりも、検査を受けることで「大きな問題がなかった」という安心を得られたり、万が一問題があっても「早期発見で対処できる」という点は大きなメリットです。
もし、胃の不快感や胸やけ、飲み込みづらさ、体重減少など、少しでも気になる症状がある場合は、放置せず早めに胃カメラ検査をご検討ください。また、症状が出ていなくても、胃がんリスクが高い方やピロリ菌感染が疑われる方、あるいは年齢的に一度しっかりチェックしておきたい方にもおすすめです。
錦糸町・亀戸・押上エリアから通院しやすい当クリニックでは、患者さまのご要望に沿った形で検査方法を選択できるよう努めております。検査後も分子栄養学的な観点を取り入れつつ、生活習慣や食事の改善、必要に応じたサプリメントや点滴療法を組み合わせることで、再発予防や体質改善をトータルにサポートいたします。
胃カメラ検査に関する疑問や不安、費用や予約方法などについて、お気軽にご相談いただければ幸いです。早期の受診によって、皆さまが安心して日々を過ごせるよう、アクアメディカルクリニック（院長：寺田）スタッフ一同、全力でお手伝いいたします。