院長ブログ

 

私は学生時代、大学病院時代に学んだ西洋医学(現代医学)を基礎として、毎日診療にあたっています。

しかし、時に診断、治療に難渋することを経験します。その時は、中医学(東洋医学)と厳密には微妙に違う和漢医学を用い、患者さんを診察させていただいています。

 

これは、現代医学と東洋医学との理論的な違いにあります。

 

現代医学は、検査データから「正常値」という基準値を定め診断・治療にあたるのに対し、中医学は「正常値」という概念がありません。

 

 

 

 

●現代医学

検査データの平均値から、一定の「正常値」という基準値を定める。数値が正常範囲なら、自覚症状があっても病気とみなされません。

 

検査値が正常範囲内の場合→治療の対象ではない。

検査値が正常範囲外の場合→病名を確定し治療を行います。

 

●東洋医学

四季の変化や生活環境になどによって健康な状態も異なり、健康な状態が崩れると未病(病気になる手前の状態)へと傾きます。

 

年間を通してカラダは変化→不定愁訴などの自覚症状がある。

季節によってもカラダは変化→鍼灸、漢方治療、食養生で治療。

 

 

 

 

○東洋医学と西洋医学の理論的な違い

現代医学 東洋医学
医学の特徴 科学的、局所的に分析する理論的な医学 統合的、全人的に観察する経験的な医学
分析方法 色々な検査を行い、精度の高い客観的なデータをもとに診断する 四診などから、全体・局所的にも診察。経験を元に主観的に判断
治療法 西洋薬を用い治療。効き目は鋭いが、副作用の多いこともある 自然成分の生薬を組み合わせた漢方薬、鍼灸などを使用し自然治癒力を引き出す

 

 

つまり、現代医学は病巣の排除を目的とするが、東洋医学は全身を複眼的な視点で病因を追求し、治療するのです。

 

 

 

 

 

特に東洋医学における、陰陽論、五行説、経絡、気・血・津液などの概念は西洋医学にはなく、東洋医学独特のものです。

 

現代医学が悪いとか、東洋医学がいいとかではありません。それぞれのいいところを引き出して治療にあたることで、様々な解決策が見えてくるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西洋医学VS東洋医学。

 

 

 

 

違うか。

 

 

 

 

 

 

おしまい。