今更ながら先日テレビで「ビリギャル」という映画を観ました。
主人公の女の子は、そこそこの中高一貫校に入学するも学校生活が楽しく、次第に勉強はしなくなり、髪の毛は金髪になり、学校もたびたびサボりがちになり、タバコも…と、どんどん落ちていきます。高校にはエスカレーターで進学できますが、このままでは付属大学に入学するどころか、卒業もできないと、地元の学習塾に高校二年の夏に入塾します。
当時の彼女は偏差値が30なく、学校の先生から「クズ」と言われますが、塾の先生から「慶応入ったらカッコよくね?」と勧められ、簡単な気持ちから勉強に取り組み始めます。
偏差値30ないわけですから、漢字書けない(小学校5年生レベル)、英語はアルファベットがようやくわかる程度でした。
家庭内も複雑でした。
兄弟は弟と妹。父親は弟をプロ野球選手にすると何かにつけて弟中心の生活。
(慶応とか寝ぼけたことぬかすな!
アホなおまえに塾代など払うくらいなら弟に新しいグローブを買ってやる。
おまえらに使う金などない!)
母親は皆平等に育てようとしますが、父は自分がスポーツ選手として挫折した夢を息子が叶えてくれると、弟を溺愛します。両親の関係は冷め切り、母親は娘のため、毎日夜遅くまで引っ越し屋のアルバイトで娘の塾代を稼ぎます。
しかし、弟には元からプロ野球選手になる実力などありませんでした。高校に進学するも、周りにはもっとすごいやつがゴロゴロいて、挫折。実は当の本人が自分には野球のセンスがないことはわかっていました。野球部も退部してしまいます。
そんな中でも主人公の彼女は何度も挫折しながら慶応に現役合格します。
ノリで始めた受験勉強でしたが
お母さんのために頑張りたい
こんなに一生懸命になってくれる塾の先生に恩返しがしたい
実は弟ばかりで家族をないがしろにしていた父親に対しても、申し訳なかったという父の気持ちを察し、言葉に出しませんが父のためにもと、頑張り、現役で慶応に合格するのです。
どの学部も偏差値70台。全受験生の2%しか入れない大学にです。
2%ということは、逆に言えば98%のヒトは生まれた時からこの大学には入れないことが決定していると言うことですが、僕はこの映画から、「奇蹟は起きるんだ」「やればできるんだ」ということではなく、限りある時間を無駄にしてしまうのは実にもったいないということを感じました。
今年怪我で3回も手術を受け、年明けには鎖骨のプレート除去の手術も控えています。
その後、がんになっていたかもしれない大腸ポリープを切除し
人間ドックでは血圧は正常も、知らない間に動脈硬化が進んでいることが判明しました。
今すぐどうのこうのじゃないにせよ
明日どうなるかわからないということを痛感した2016年でした。
1日数時間の睡眠時間で1年間勉強漬け。慶応合格。
あー無理。
あれやっておけばよかったって、毎日考え後悔し
ぐーたら過ごしている時間がなんて多いことか。ホントもったいないもったいない。
今できること、この時期やっておかなくてはいけないことをどんどん片付けて
時間があったら新しいことに取り組んでいかないと
楽しいこと、気持ちいいことばかりしてたら どんどんどんどん時間は過ぎていきます。
たばこ吸ってるヒトが
「俺は肺がんになってもいいからこんな美味しいたばこはやめないね」
といいながら肺がんになったら死にたくないと。
食生活に無頓着なヒトが
「高血圧やだ、高脂血症やだ、糖尿病やだ、がんやだ」と
古い時代は子供の頃から丁稚奉公に行き、主人のもとで雑用をこなしつつ
業務に必要なノウハウ、マナー等の教育を受けていた。
今みたいにほぼ全員が大学に行く時代じゃない頃は
中学生、高校生の年代はもう大人扱いだった。
まだ若いからではなく、うまくタイムマネージメントをしていかないと
少しずつ頭を使っていかないと
後悔してからじゃ遅い。
今やっていることは本当に今やることなのか?
今じゃなきゃできないことなのか?
何でそれを今やらないのか?
できない理由はなんなのか?
無駄なことに時間を使う暇はない。
自分にとって(家族にとって、友人にとって、仕事にとって…)建設的な事に時間を使いたい。
まだまだ若いみんなは、今年はどういうことに時間を使っていましたか?
来年はどういう時間の使い方をしたいですか?
ともあれ、今年一年ありがとうございました。
みんなのおかげで、また来年もいい年を迎えられそうです。
来年もよろしくお願いします。
アクアメディカルクリニック 院長 寺田武史
おしまい。