有機酸検査は、もともと自閉症児に対する尿検査でした。
人は色々なものを食べ、身体の中でそれらの物質を代謝します。代謝されたものの一部は体の外に尿として排泄されます。この代謝された物質(有機酸)の種類と量を測る検査です。有機酸検査は身体の中で起こっている化学変化を間接的に見る検査です。
自閉症は遺伝子由来だと主に考えられてきましたが、実は尿中で上昇している有機酸が原因で、消化管で何が起きているかを間接的に見ることで治療できることがわかってきました。
つまりこの検査は、「腸を見ることが出来る尿検査」なのです。
1)腸内環境の乱れを調べることが出来ます
例えば、抗生剤を使えば、酵母菌が増え、善玉菌が減り、酵母菌が産生する物質も増加します。
酵母菌であるカンジダ菌が増えれば、産生物である、アラビノース、酒石酸が増えます。逆を返せば、それらの産生物が増加しているということは、カンジダ菌が増えているということになります。つまり、リーキーガット症候群になっているということです。
詳細は避けますがその他
2)シュウ酸の蓄積(腸内環境悪化や自閉症症状悪化で ↑ )がないか
3)ミトコンドリアの機能障害がないか
4)神経伝達物(ドーパミン・ノルエピネフリン・セロトニン)のバランスはいいか
5)メチレーション回路がうまく回っているか
6)三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)がうまく使われているか
7)体内解毒回路の機能障害はないか
8)ビタミンB群、ビタミンCの過不足は?
9)骨代謝の指標は大丈夫か
など、脳と腸で何が起こっているのかがわかるように、必要な検査項目を全て組み込まれた総合検査です。
検査目的はさておき
例えば
Aさん「このカルニチンサプリ摂ってから身体が軽くなった気がする。1.2kgも痩せたし。」
Bさん「え、そうなの?じゃあ、私も摂ってみよう!」
では、個体差があり、誰でも効果があるとは限りません。
分子栄養学では
Cさん「このカルニチンサプリ摂ってから身体が軽くなった気がする。有機酸検査でアジピン酸とスベリン酸が低下したし、基礎代謝が5%も上がったし。」
Dさん「え、そうなの?じゃあ、私も有機酸検査と基礎代謝測って、脂肪酸代謝経路に異常ないか見てみようかな。」
こんなことも化学的にわかってしまうのです。
コレが分子統合栄養学です。
大変ち密に計算しつくされており、この検査でここが上昇していたら、次はここを見るなど、全てがつながっていて、患者さんのストーリーが語れるようになります。
精神疾患を患っている方はもちろん、慢性疲労の方(副腎疲労症候群)、リーキーガットを患っている方にも是非一度受けていただきたい検査です。
*早朝第一尿を採取し、冷凍した状態で検査センターに送るので、検体扱いに注意が必要です
初診料 11,000円 再診料 6,600円 (30分ごと3,300円)(全て税込み)
検査料金:46,000円(税込み)