みなさん、こんにちは。
院長の寺田です。
この記事では、口呼吸について解説していきます。
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鼻呼吸(はなこきゅう)と口呼吸(こうこきゅう)
数ある哺乳類の中で、口で自由に呼吸できるのは人間だけと言われています。
ワンちゃんが時にハーハーいっているところを目にしますが、これは口呼吸をしているのではなく、体温を調節しているためと言われています。
あまり気にしたことはないと思いますが、「鼻呼吸」と「口呼吸」では大きな違いがあります。
「口呼吸」しているかどうかは、自分で確かめられます。
鏡で自分の舌を見てみましょう。
缶切りで缶詰を開けた後のようなギザギザがあったら、口呼吸をしています。
これを、歯痕舌(しこんぜつ)と言います。
中医学では「水毒(すいどく)」のサインですが、口呼吸の人は舌が下あごに付いているため、こうなります。試しに舌を上あごにつけて喋ってみてください、喋れませんから。
マスクが必須の現在、息苦しいためか、歯痕舌がみられる患者さんが増えています。
人間は、鼻呼吸をするように神様に作られました。
なぜ口呼吸になるのか
諸説ありますが
1)柔らかい物の食べ過ぎ、食の欧米化
2)コミュニケーションツールの変化
(スマホが普及し、メールなど、言葉を使って相手に気持ちを伝える事が薄れてきた)
3)アレルギー疾患の増加(鼻で呼吸ができない)
4)口遊びの減少(口笛を吹けないなど)
5)姿勢が悪い(猫背)
なのでは? と言われています。
口呼吸はいけないのか?
1)鼻には鼻毛がカーテンのようにあり、そこでゴミ、細菌をキャッチします。また、熱い空気は冷まし、冷たい空気は温め、なるべく刺激の少ない状態で、気管支に送り込みます。
2)第一関門を通過した空気は、上咽頭にたどり着きます。上咽頭は空気専用の通路のため、鼻腔や気管支と同じく繊毛上皮で覆われています。そこには多数のリンパ球が入り込んでおり、上咽頭そのものが重要な免疫器官としての役割を担っているのです。第一関門をすり抜けてきた細菌、ウィルスをここでやっつけるわけです。
3)口呼吸をする事で、中咽頭、下咽頭付近はスクランブル交差点のようになり、上から下からの乱気流で上咽頭炎を引き起こします。
副腎疲労の患者さんは口呼吸になりやすい?
副腎疲労の患者さんは、夜間アドレナリンが分泌され、 交感神経が優位になると、「ハーハーハーハー」と口呼吸になります。
肩で息をすることになると、体幹の筋肉が緩み、骨盤の筋肉までもが緩みます。すると、尿道を閉めておくことも、膀胱に尿を溜めておくことができなくなり、夜間頻尿にも繋がります。
一日を通して血糖値が安定しないことは、体も心も緊張し、睡眠の質も悪くなります。すると、朝起きられないだけでなく、疲れは取れない、パフォーマンスは著しく落ちる、だから元気を取り戻そうと、食事の質が悪くなるといった、負のループに陥ってしまうわけです。
いかがでしたか?
口呼吸をしている人は、知らずのうちに健康を害している可能性があります。
マスク生活が普及して、息苦しさから口呼吸になっている患者さんが増えていると感じます。
口呼吸をしていると上咽頭部が炎症を起こし、慢性炎症から体の怠さに繋がったり睡眠の質が低下している可能性があります。 皆さん、意識して口を閉じて呼吸してくださいね!