心と体の相互関係を取り扱う心身医療の分野では
心の健康は大いに運動と関係するという研究が次々となされています。
たとえばデューク大学の研究では、うつ病と診断された患者の大半にとって
週3回30分の運動を行うことは
抗うつ薬を服用するのと同じような効果があるという研究結果を示しました。
しかもいったん治療が終了すると、薬物療法を行ったほうの患者は
運動療法を行った患者に比べ、4倍もの割合でうつ症状を再発しやすいというものです。
また、ハーバード大学の研究では
「ある意味、運動は夢のような治療法といえる」 とまで言っています。
運動は、うつ病に深く関連する不安やパニック障害、そしてストレス全般に効果があるとのこと。
運動は精神疾患の最も重要な薬と同様の効果がある
ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミンといった神経伝達物質の放出を促します。
ひと汗かくことは、適量のリタリン(代表的な抗うつ薬)などを服用するようなもので
心身を正常な状態にしてくれるとのことです。
そして運動には、自己評価や免疫力を高める、寿命を延ばす
さらに、よりよい睡眠が得られる、よりよい性生活を行えるといった
副次的効果があることも付け加えられています。
うつ病に悩んでいる場合、もしくはただ単にもっと幸せになりたいというだけの場合でも
この「運動する」という「驚異の薬」をもっと服用するべきなのです。
では、運動は抗うつ薬を服用するのと同じなのか、というとそうではありません。
もっと適切な言い方をすれば
「運動をしない」ことは「憂うつになる薬を服用しているのと同じもの」なのです。
人間は体を動かすように出来ています。
私たちは1日中コンピューターの前に座り続けたり
何日も会議を続けたりするようには出来ていないのです。