栄養療法 院長ブログ

みなさん、こんにちは。

院長の寺田です。

この記事では、前回に引き続き「GLP-1」について。

「結局、GLP-1医療ダイエットって、いいの?悪いの?」

という問いについて、私の考えをお伝えします。

 

動画で解説を聞きたい方はコチラ▼

 

GLP-1(ジーエルピーワン)ダイエットの是非について

「アメリカではGLP-1受動体作動薬を抗肥満薬としてダイエット目的で使うことができ、効果もあるのだから、日本国内でも自由診療なら使って問題ないのでは?」

という意見と、

「やせるための薬としては承認されていないのだから、不適切な使い方はやめるべきだ」

という意見があります。

 

法外な金額で金儲け主義に走る医療機関に対し、日本医師会では現に「医の倫理に反する」とまでいっています。これを言われた方は、「もうお前は医師じゃない」と宣告されたようなものです。

 

私の意見は

しかし、それについての私の意見ですが

費用を患者さんが納得して始めることの何が問題なのでしょうか。

 

医療機関が金儲けをしようが、やせたい患者も幸せになれるのならそれでいいではないか、と私は考えます。

ではどうすればいいか。

海外のデータはあるわけですから、ダイエット目的での使用は、例えばBMI30以上を対象とし、そして保険適用とし、保険適用外の自費診療を禁止するのはどうでしょうか?

禁止にする法律をつくることはできなくても、患者を登録制として、登録がなければ製薬会社が販売しない方針をとれば事実上の禁止にすることはできます。

個人輸入という抜け道は残りますが、税関での審査を厳しくすればある程度は解決します。

 

個人の意志を尊重したい

個々の事情があり、どうしても医療のチカラを借りて体重を落としたいという方がいらっしゃいます。

そういった方は、糖尿病専門医や肥満症専門医がいるクリニックを受診し、相談してみる。

肥満の診断や治療、そして予防についての知識をしっかり持っている医師と一緒に方針を決めていただければいいと思っています。

 

ダイエットは人によっては、何度やっても失敗してしまい、その度に自信をなくして閉じこもりがちになるなど、身近で大きな問題だと思います。

そういう人がひとつの成功体験を得るためにGLP-1ダイエットを試してみる、というのは場合によっては、僕はアリなのかな、と思ってしまうこともあります。

 

日本で保険で受けることが難しいのはなぜ?

「日本ではなぜ肥満の適応症を取っていないのか?」というと、「日本では製薬会社が承認申請をしていないから」です。

では「なぜ日本では承認申請をしないのか?」というと、「日本では臨床試験をやっていないから」です。

というのも、肥満の程度が外国と日本では大きく違うからです。BMI 30(肥満度2以上)は、米国では38.2%もいる。

このBMI 30以上の肥満者は日本では、全体でも4.5%(男性5.4%、女性3.6%)しかいません。

BMI 35以上に至っては0.5%しかいないのです。世界的に見ても日本は「肥満者の少ない国」なのです。つまりBMI 30~35 以上の人が少ないから臨床実験ができないのです。

ということは副作用の実験ができないということです。肥満者が少ない日本において、GLP-1を糖尿病でない患者さんに、痩せ薬として使用する副作用発現の危険性はやはり拭えないのです。

ここには、細心の注意が必要です。

 

いかがでしたか?

今回はここまでです。

次回は、GLP-1ダイエットを実践する場合の注意点やリスクをお話ししたいと思います。