糖尿病は、初期には自覚症状がないことが少なくありません。
健康診断で血糖値やHbA1cを指摘されて、初めて糖尿病に気付くもいれば、のどの渇きや尿の回数の増加、だるさなどをきっかけに「もしかして糖尿病かも?」と、不安を感じる方もいます。
また「少し疲れやすくなっただけ」「きっと年齢のせいで、大事ではないだろう」と思っている症状の中に、糖尿病のサインが隠れていることもあります。
この記事では、糖尿病の初期症状やセルフチェックのポイント、初期段階で行う治療について解説します。
糖尿病は初期症状に気づきにくい

糖尿病は、血液中のブドウ糖、いわゆる「血糖」が高い状態が続く病気です。
血糖値を調整する「インスリン」というホルモンの働きが不十分になることで、血糖値が下がりにくくなり、糖尿病が引き起こされます。
糖尿病が注意すべき病気である理由は、初期症状が出ないことが多く、気付かないうちに進行していることがあるためです。
血糖値が少し高い程度では、本人がはっきりとした体調不良を感じないことも少なくありません。
しかし、高血糖の状態が長く続くと、血管や神経に負担がかかり、目・腎臓・神経・心臓・脳などに悪影響を及ぼすことがあります。つまり、糖尿病は「症状が出たら考える病気」ではなく、症状が軽いうち、または症状がないうちに治療を始めることが大切なのです。
健康診断で血糖値やHbA1cを指摘された方、家族に糖尿病の方がいる方、最近体調の変化が気になっている方は、一度ご自身の状態を確認してみましょう。
糖尿病のセルフチェックポイント

以下の項目に複数当てはまる場合は、糖尿病や糖尿病予備軍の可能性があります。早めに内科へご相談ください。
※以下のセルフチェックは正確な診断ではありません。受診の目安としてお考え下さい。
1:体調の変化のチェック
- のどが渇きやすくなった
- 水やお茶を飲む量が増えた
- 尿の回数や量が増えた
- 夜中にトイレで起きることが増えた
- 疲れやすい、だるさが続く
- 食べているのに体重が減ってきた
- 目がかすむ、見えにくいことがある
- 手足がしびれる、足がつることがある
- 傷が治りにくい
- 爪の変色や厚みの変化がある
- 皮膚トラブルや感染症を繰り返す
2:健康診断結果・生活習慣のチェック
- 健康診断で血糖値(またはHbA1c)が高いと言われた
- 家族に糖尿病の人がいる
- 体重が急に減った、または肥満気味である
- 運動不足が続いている
- 甘い飲み物をよく飲む、または間食が多い
- 高血圧や脂質異常症を指摘されている
- 食後に強い眠気を感じることが多い
特に、のどの渇き、尿の回数の増加、体重の急激な減少、強いだるさが続く場合は、早めの受診をおすすめします。
また、症状がなくても健診で血糖値やHbA1cを指摘された場合は、放置せず医師に相談しましょう。
糖尿病で見られやすい初期症状

ここからは、糖尿病で見られやすい初期症状について、症状別に解説します。
ただし症状の出方には個人差があり、まったく症状がない方もいます。
1:のどが渇く・水分を多くとる
血糖値が高い状態が続くと、体は余分な糖を尿と一緒に出そうとします。
その影響で体の水分が失われやすくなり、のどの渇きを感じることがあります。
「最近やたらと水を飲む」「やけに喉が渇く」という場合は注意が必要です。
2:尿の回数や量が増える
糖尿病になると、尿の回数が増えたり、尿の量が多くなったりすることがあります。
「寝ていても何度もトイレに行きたくなる」「一日のトイレの回数が増えた」といった変化も、糖尿病のサインの一つです。
もちろん頻尿には、加齢、前立腺の病気、膀胱の病気、利尿作用のある飲み物など、さまざまな原因があります。
ただし、のどの渇きや体重の減少などを伴う場合は、糖尿病の可能性も考えられます。
3:疲れやすい・だるさが続く
糖尿病になると、血液中の糖分をうまくエネルギーとして使えなくなることがあります。
そのため、疲れやすい、体が重い、だるさが抜けないといった症状が出ることがあります。
忙しさや睡眠不足のせいだと思って見過ごされやすい症状ですが、以前より疲れやすくなった、休んでもだるさが続くという場合は注意が必要です。
4:食べているのに体重が減る
食事量が大きく変わっていないのに体重が減ってきた場合も、糖尿病の可能性が考えられます。
前述のように、糖尿病になると糖分をエネルギーとして使えなくなることがあります。
すると体は、脂肪や筋肉を分解してエネルギーを補おうとするのです。その結果、急激に体重が減少します。
短期間で体重が落ちている場合や、のどの渇き・多尿・強い疲労感を伴う場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
5:目がかすむ・見えにくい
血糖値の変動や、糖尿病による目の合併症が関係して、目がかすむ、ピントが合いにくい、見えにくいと感じることがあります。目の病気の背景に糖尿病が潜んでいることもあるのです。
特に健康診断などで血糖値を指摘されている方は、眼科だけではなく内科にも相談をしましょう。
6:手足のしびれ・足がつる
糖尿病が進行すると、手足の神経に影響が及び、しびれ、違和感、足がつるといった症状が出ることがあります。初期からはっきり出るとは限りませんが、見逃したくない症状の一つです。
特に足の感覚が鈍い、しびれが続く、傷に気づきにくいといった場合は、早めの受診を検討しましょう。
7:傷が治りにくい・感染症を繰り返す
高血糖の状態が続くと、ウィルスに対する抵抗力が落ちたり、傷の治りが遅くなったりすることがあります。皮膚のトラブル、歯周病、膀胱炎などを繰り返す場合も注意が必要です。
「小さな傷がなかなか治らない」「感染症にかかりやすくなった」と感じる場合は、糖尿病との関連も含めて医師に相談しましょう。
8:爪の変色や厚みの変化がある
爪は体の健康状態が反映されやすい部位です。糖尿病により血管がダメ―ジを受けると、手足の先まで栄養が行き届かなくなります。
その結果、爪が変色したり、厚みが増したり、もろくなったりと、爪の成長が不規則になるのです。
糖尿病の初期には出づらい症状であり、ある程度進行してから出始めることが多い傾向です。
自覚症状がない「糖尿病予備軍」とは?

糖尿病予備軍とは、糖尿病と診断されるほどではないものの、血糖値が正常より高めの状態を指す言葉です。医学的には「境界型」などと表現されることがあります。
糖尿病予備軍の段階では、ほぼ自覚症状がありません。そのため、「まだ糖尿病ではないから大丈夫」と考えてしまいがちです。しかし、将来的に糖尿病になる可能性は高い状態です。
特に、健診で血糖値やHbA1cが高めと言われた方、家族に糖尿病の方がいる方、生活習慣の乱れが続いている方は注意が必要です。 また、糖尿病=肥満というわけではなく、痩せている方でも遺伝や生活習慣によって糖尿病になることがあります。
糖尿病予備軍の段階で生活習慣を見直すことで、糖尿病への進行を防いだり、進行を遅らせる可能性があります。
糖尿病の初期症状を放置するとどうなる?

糖尿病の初期症状を放置して、血糖値が高い状態が長く続くと、血管や神経に少しずつ負担がかかります。その結果、合併症が起こることがあります。
たとえば、目の網膜に障害が起こる糖尿病網膜症、腎臓の働きが低下する糖尿病腎症、手足のしびれや感覚低下につながる糖尿病神経障害などがあります。
また、糖尿病は動脈硬化とも関係しています。さらには心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気のリスクにもつながります。
大切なのは、合併症を必要以上に怖がることではなく、早い段階で治療や対策を始めることです。糖尿病予備軍や初期の段階であれば、食事・運動・体重管理などの生活習慣の見直しが中心になります。気になる症状や健診結果を放置せず、早めに内科へ相談しましょう。
糖尿病の初期段階で行う治療

糖尿病は、症状の重さや段階によって治療の考え方が変わります。糖尿病予備軍や初期の糖尿病では、食事・運動・体重管理などの生活習慣改善が治療の中心になります。今回は治療のポイント4つを解説します。
1:食事療法
食事療法と聞くと、「糖質を一切食べてはいけない」「厳しい制限が必要」と考える方もいます。しかし、実際には極端な制限よりも、食事の量・内容・食べ方を見直すことが重要です。
特に、野菜や海藻、きのこ類などを取り入れる、たんぱく質を適度にとる、糖質を摂り過ぎない、1日3食の規則正しい食事を心掛けるなど、「食事のバランスと規則正しさ」が鍵となります。
また、早食いは血糖値の急上昇につながりやすいため、よく噛んでゆっくり食べることも意識しましょう。
2:運動療法
運動は、インスリンの働きを助け、血糖をエネルギーとして消費しやすくする効果があります。さらに合併症の発症リスクの低下も期待できます。
初期の段階では、特別な運動を始めるよりも、日常生活の中で体を動かす時間を増やす選択肢が現実的でしょう。
たとえば、買い物や通勤で少し歩く距離を増やす、階段を使う、食後に軽く歩くなど、無理のない方法から始めると継続しやすくなります。
ただし、心臓病や足腰の痛みなど持病がある方、すでに血糖値が高いと指摘されている方は、自己判断で急に運動量を増やさず、医師に相談しましょう。
3:体重・血圧・脂質もあわせて管理する
糖尿病は、血糖値の数値だけに注意すればよい病気ではありません。特に高血圧、脂質異常症、肥満が重なると、動脈硬化が進みやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクにもつながります。
そのため、初期の糖尿病や糖尿病予備軍の段階では、血糖だけでなく、体重、血圧、コレステロール、中性脂肪なども含めて総合的に管理することが大切です。
4:必要に応じて薬による治療を行う
初期の糖尿病では、食事療法や運動療法が基本になります。ただし、血糖値の数値、年齢、体重、合併症の有無などによっては、飲み薬などを使用することもあります。
「初期だから薬はいらない」と自己判断するのではなく、医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。また、市販薬やサプリメントだけで対応しようとせず、まずは医療機関で正確に状態を確認しましょう。
糖尿病の初期症状が気になるときは内科へ

糖尿病が心配なときは、まず内科で相談できます。特に、健康診断で血糖値やHbA1cを指摘された方、のどの渇きや尿の回数の増加、体重減少、だるさなどが続いている方は、早めに相談しましょう。
受診時には、健康診断の結果があれば持参すると診察がスムーズです。いつ頃から症状があるのか、体重の変化、普段の食事、運動習慣、家族の既往歴なども伝えられるとよいでしょう。
糖尿病は、早い段階で発見して生活習慣を整えることが、その後の治療負担や合併症リスクの低下につながります。
糖尿病の症状・検査・治療の全体像については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▷「糖尿病が心配な方へ|症状・検査・治療方法を解説」
江東区・亀戸・押上周辺の糖尿病治療はアクアメディカルクリニックへ

江東区亀戸のアクアメディカルクリニックでは、糖尿病をはじめ、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のご相談に対応しています。
糖尿病は、初期症状がわかりにくいからこそ、健診結果や日々の小さな体調変化をきっかけに相談することが大切です。
亀戸・錦糸町・押上周辺で、「血糖値が高いと言われた」「糖尿病予備軍かもしれない」「のどの渇きや尿の回数が気になる」という方は、お気軽にご相談ください。
症状が軽いうち、または症状がない段階で生活習慣を見直すことが、将来の健康を守る第一歩になります。
