こんにちは。錦糸町・亀戸・押上からすぐのアクアメディカルクリニック、院長の寺田です。
近年、「ピロリ菌」という言葉を耳にする機会が増えました。ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の中に生息する細菌の一種で、日本人の胃に広く感染しているといわれています。感染していても無症状のまま経過する方も多い一方で、胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍さらには胃がんのリスクを高める要因としても知られ、医療の現場では非常に注目度が高い細菌です。
本記事では、ピロリ菌検査によってわかる主な病気やリスク、具体的な検査方法や除菌治療の流れ、そして分子栄養学的な視点でのサポートなどについて詳しくご紹介します。「自分はピロリ菌に感染しているのか不安」「胃の不調が続いているけど原因がわからない」そんな方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
1.ピロリ菌検査で観察できる部位と役割
1-1.ピロリ菌とは
ピロリ菌は主に胃の粘膜に生息し、長期にわたる感染が胃の慢性的な炎症や粘膜のダメージにつながるとされています。酸性が強い胃の中でも生き延びる特殊な働きを持ち、幼少期のうちに感染するケースが多いと推測されています。
1-2.胃カメラ検査との関連性
**胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)**では、胃粘膜の状態を直接観察できます。ピロリ菌に感染している場合、萎縮性胃炎や胃潰瘍などの病変が見られることも少なくありません。そのため、胃カメラ検査中にピロリ菌感染を疑うような所見があれば、生検によって組織を採取し、ピロリ菌の有無を確認することも可能です。
一方、ピロリ菌検査は必ずしも胃カメラを伴うとは限らず、呼気検査や血液検査、便検査などで感染の有無を調べる方法も存在します。いずれの方法を選ぶにせよ、早期に感染を把握しておくことが、将来的な胃病変のリスクを下げるうえで極めて重要となります。
2.ピロリ菌感染で生じる主なリスク
2-1.慢性胃炎・萎縮性胃炎
ピロリ菌が感染すると、胃粘膜が慢性的な炎症状態になります。これを放置すると萎縮性胃炎(胃粘膜が薄くなる)が進行し、腸上皮化生などの変化を経て胃がんリスクが高まる場合があります。
2-2.胃潰瘍・十二指腸潰瘍
ピロリ菌は、胃酸の分泌や粘膜防御システムを乱すことで、潰瘍(粘膜がえぐれる状態)を引き起こしやすくします。特に、長期間感染したまま放置すると、再発性の高い胃潰瘍・十二指腸潰瘍につながることも。
2-3.胃がん
日本人に多いとされる胃がんのリスク要因の一つが、ピロリ菌感染です。早期胃がんであれば内視鏡治療のみで済むこともありますが、進行してしまうと手術や抗がん剤治療など、身体への負担が大きくなります。胃がんの家族歴がある方や、胃の症状が長引いている方は、特にピロリ菌検査を受けておくことをおすすめします。
2-4.その他の影響
ピロリ菌感染と、胃以外の疾患との関連性についても研究が進められています。例としては、胃MALTリンパ腫など、一部のリンパ腫形成に影響を及ぼす可能性が指摘されています。また、貧血や血小板減少にも関連するケースが報告されるなど、全身への影響がゼロではないという点も見逃せません。
3.ピロリ菌検査のメリット
3-1.早期発見・早期除菌
ピロリ菌に感染しているとわかったら、できるだけ早めに除菌治療を行うことが推奨されます。除菌によって、胃炎や潰瘍の進行を抑えられるだけでなく、将来的な胃がんリスクを大幅に下げることが期待できます。
3-2.再発予防
ピロリ菌が原因で繰り返している潰瘍や炎症も、除菌治療によって再発リスクを低減できます。さらに、再感染は決して高頻度ではないといわれていますので、一度除菌に成功すれば長期的に安定した胃の状態を維持しやすくなります。
3-3.安心感
「もしかしてピロリ菌が原因かも?」と不安を抱えている状態より、検査で感染の有無をはっきりさせることで、今後の方針が立てやすくなります。万が一、感染が確認されても除菌治療や生活習慣の見直しで対処可能です。感染がなければ「一安心」という気持ちで、別の原因を探ることができます。
4.ピロリ菌検査の種類と流れ
当院(アクアメディカルクリニック)では、患者さまの症状やご希望、既往歴などを踏まえながら、最適な方法で検査を実施しています。代表的な検査方法としては、以下の3つが挙げられます。
4-1.尿素呼気試験(UBT)
呼気(吐く息)を採取して調べる検査方法で、ピロリ菌の酵素活性を利用して感染の有無を判定します。精度が高く、検査自体も比較的簡単なので、診断や除菌後の判定に広く用いられています。
- 手順の例
- 検査用の薬剤を服用する
- 所定時間後、専用の袋に息を吹き込みサンプル採取
- ピロリ菌がいる場合、薬剤が分解されて呼気中の成分が変化
4-2.抗体検査(血液・尿・唾液)
血液や尿、唾液中のピロリ菌に対する抗体の有無を調べる方法です。過去に感染した履歴も含めて検出されることがあるため、感染が「今現在進行形」かどうか判定するにはやや注意が必要な面もあります。ただし、症状や検査結果を総合的に評価することで、現在の感染状況が推定可能です。
4-3.便中抗原検査
便の中にピロリ菌特有の抗原が排出されているかどうかを調べます。胃カメラを用いずに検査でき、精度も高いことから、除菌後の判定としても活用される方法です。
ワンポイント
当院では、胃カメラ検査中に内視鏡で胃粘膜を観察した際、「ピロリ菌感染が疑われる所見」があった場合、その場で組織検査を行うケースもあります。検査方法の選択は患者さまの負担や症状、検査目的を考慮して決定しますので、ご不明点があればお気軽にご相談ください。
5.検査前後の注意点
5-1.検査前の食事・服薬制限
- 尿素呼気試験
検査前には一定時間の絶食(およそ4〜6時間程度)をお願いする場合があります。また、胃酸分泌抑制薬の使用など、結果に影響を与えるお薬を一時中断していただくこともあります。 - 便中抗原検査
特段の絶食は必要ありませんが、除菌治療後の判定の場合は、**一定期間(4週間程度)**を空けてから検査を行うことが推奨されます。
5-2.検査後の流れ
- 陽性の場合
除菌治療の説明や生活習慣のアドバイスを行い、必要に応じて分子栄養学的視点での食事指導、サプリメント活用も提案いたします。 - 陰性の場合
感染が確認されず、一安心。ただし、胃の不調が続く場合は、他の原因を検索するための追加検査(胃カメラや血液検査など)をご案内することもあります。
6.除菌治療とその後のフォローアップ
6-1.除菌治療の概要
陽性判定が出たら、まずは医師の診断のもと、除菌治療(抗生物質2種類+胃酸分泌抑制剤を一定期間服用する)が行われます。成功率は8割以上ともいわれますが、体質や耐性菌の有無などで左右されるため、1回目の除菌がうまくいかなかった場合は、別の抗生物質を組み合わせた二次除菌を行うこともあります。
6-2.再検査の重要性
除菌治療後は、数週間〜数か月経過した後に再検査を行い、ピロリ菌が確実に排除できているかどうかを確認します。ここで陰性が確認できれば、継続的な胃がんリスク低減が期待できます。
6-3.分子栄養学的なサポート
当院では、除菌治療だけでなく、その後の胃粘膜回復や再発予防をサポートするために、分子栄養学に基づくアプローチを取り入れています。具体的には、
- 胃粘膜を保護・再生に関わる栄養素(ビタミンA、ビタミンC、亜鉛など)の補給
- 腸内環境の改善(発酵食品やプロバイオティクス、食物繊維のバランス)
- ストレスマネジメントや睡眠環境の整備
これらを総合的に行うことで、再発リスクの低減や体質改善を目指しています。「除菌は成功したけれど、胃の調子がいまいち回復しない」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。
7.錦糸町・亀戸・押上からアクセス良好!アクアメディカルクリニックでのピロリ菌検査
7-1.当院の特徴
- 分子栄養学を専門に活かしたアプローチ
胃や腸といった消化管だけでなく、全身の栄養バランスをチェックしながら根本的に体質改善を図ります。 - 細径内視鏡の導入で負担軽減
胃カメラ検査が必要な場合は、従来よりも細い内視鏡を使用し、嘔吐反射を抑えやすい検査を実施。経鼻内視鏡や鎮静剤使用もご相談可能です。 - 土曜診療にも対応
お忙しい方でも通いやすいよう、土曜診療を行っています。 - 錦糸町・亀戸・押上から徒歩圏内
駅から近く、アクセスも良好。周辺に駐車場もありますので、お車での来院もご検討いただけます。
7-2.アクセス・ご予約
- 所在地:〒136-0071 東京都江東区亀戸3丁目14-4
- 最寄り駅:錦糸町・亀戸・押上の各駅から徒歩15分
ご相談・ご予約
風邪がなかなか治らなくて困っている、あるいは何度も繰り返してしまうという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
予約錦糸町・亀戸・押上の各駅から徒歩圏内でアクセスも良く、平日はもちろん、土曜診療なども行っております。
電話番号: 03-3637-1851
受付時間:
月・火・水・金:9:00~12:30, 15:30~18:30
木・土: 9:00 ~ 12:30
ピロリ菌検査に関する不安や疑問は、ぜひお気軽にご相談ください。早期の検査・早期除菌が、あなたの胃と身体を守る大切な一歩になります。
8.まとめ
ピロリ菌は、日本人に多く感染していると推定されながらも、自覚症状がほとんどないまま潜んでいることが少なくありません。しかし、長期感染が引き起こすリスクは決して小さくなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎から胃がんに至るまで、さまざまな消化器疾患の原因になる可能性があります。
- ピロリ菌検査を受けることで、感染の有無をはっきり確認し、早期除菌や生活習慣改善によって胃の負担を軽減できる
- 検査方法には、尿素呼気試験・抗体検査・便中抗原検査などがあり、患者さまの状況に合わせて選択可能
- 除菌治療は抗生物質を中心とした薬物療法で、高い成功率が報告されている
- 除菌後は再検査を行い、継続的に胃の健康をチェックすることが望ましい
- 分子栄養学による栄養指導や生活習慣の見直しで、より根本的な体質改善・再発予防もサポート
もし「長引く胃の不快感がある」「胃がんリスクを減らしたい」「家族にピロリ菌感染者がいるので、自分も調べたい」といったお悩みがある場合は、ぜひ一度ピロリ菌検査をご検討ください。錦糸町・亀戸・押上エリアからアクセスしやすいアクアメディカルクリニックでは、患者さま一人ひとりに合わせた検査方法・治療プランをご提案し、分子栄養学を活かしたトータルサポートを行っています。
気になる症状や検査費用、予約方法など、疑問がございましたらお気軽にお問い合わせください。早期の受診と除菌治療によって、将来の大きなリスクを回避し、安心して過ごせる毎日をサポートいたします。スタッフ一同、あなたの健康を全力でお手伝いさせていただきます。